国が推奨する「Go To Travel キャンペーン」が7月22日から始まるといいます。国や地方自治体、それぞれ携わる生業や個人の考え、立場の違いによる「正解」のない日常が新たに始まっています。予定していた採集調査もキャンセルが続いていましたが、ようやく調整をとりながらのこれから調査に行くことができそうです。六本脚はご存じのとおり、採集シーズンが始まる4月から6月半ばまで店舗休業、スタッフもテレワークなどでしのいでいました。この結果、今でも仕入れや発送が追い付いていない状態がやや続いており、お客様にしわ寄せが生じてしまっていることが、心に重くのしかかっています。また、今年は年明けからどこにも採集に行けず、休日は自宅で過ごしている間、あっという間に梅雨に突入してしまいました。都心に近い自宅の小さな庭で、休日に母親の耕す家庭菜園の手伝いをしていたら、普通種と言われる虫が(畑の害虫ですが)沢山生息していることに気が付きました。私は就職してすぐに他県で20年以上マンションで暮らしていたのですが、昆虫採集の原点は(大勢の方がそうであるように)私も自宅の庭で網を振り回していたところから始まったことをあらためて思い出しました。子供の頃は庭木が何本もあり、庭でもコクワガタが採集できました。今は家庭菜園にしてしまい樹木はないのですが、菜園にはモンシロチョウ、キアゲハ、ヤマトシジミが飛び、わずかにあるササに発生したタケノホソクロバ幼虫には、親子でかぶれてしまいました。また、夜は玄関の明かりにスジキリヨトウ、アオドウガネ、ヤモリなどがまだ見られることがわかりました。遠くに行って見たこともない虫を採集するのも良し、自宅の庭の虫を観察するのも良しで、やはり虫屋というのは虫がそばにいれば、いつでもいつまでも楽しむことができるのだなと、あらためて実感しています。