ヒアリ 関連書籍


 


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外来アリのはなし
橋本 佳明編, 2020.
A5, 187pp., 価格:3,400円+税
海外から日本に侵入し、さまざまな影響や被害をもたらす「外来アリ」についてまとめて学べる入門書です。そもそもアリ
とはどういう生き物なのか、どういう種類の日本在来・外来のアリがいるのかという基礎的な知識から始まり、なぜ外来ア
リは有害なのか、どういう対策をとり、どのように防除すればよいのか、外来アリ対策の最前線にいる研究者の方々が、
総合的に解説されています。



目次
1. 外来生物としてのアリ〔橋本佳明〕
2. 増殖マシンとしてのアリ〔後藤彩子〕
3. 刺す虫としてのアリ〔夏秋 優〕
4. 外来アリの分類学〔吉村正志〕
5. 外来アリの社会生物学〔辻 和希〕
6. アリをめぐる種間相互作用と外来アリ〔上田昇平〕
7. ヒアリとアカカミアリ〔坂本洋典〕
8. アルゼンチンアリ〔井上真紀〕
9. アシナガキアリ〔YANG Chin-Cheng/翻訳:橋本佳明〕
10. ヒゲナガアメイロアリ〔伊藤文紀〕
11. ツヤオオズアリ〔菊地友則〕
12. オオハリアリ〔末廣 亘〕
13. コカミアリ〔宮川美里〕
章コラム 新顔の侵略的外来アリ―ハヤトゲフシアリ〔岸本年郎〕
14. 外来アリ防除の手法と課題〔五箇公一・坂本佳子〕

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ヒアリの生物学 行動生態と分子基盤

東正剛・緒方一夫・S. D. ポーター, 2008.
A5, 228pp. 上製本, 2,800円+税
ヒアリはアルカロイドの強い毒をもち、刺されると死に至ることもあり、特定外来生物に指定されています。
侵入して数年以内であれば根絶させ、定着を防ぐことも不可能ではないでしょう。いったん定着した後の莫大な損失を思
えば、まずヒアリの侵入・定着を防ごうとする努力こそ大いに価値があると考えられます。しかし、日本人でS. invictaのこ
とを良く知る人はほとんどいないのが現状です。このアリが環太平洋諸国に分布を拡大し始めた今日、ヒアリの行動や
生態に関する啓蒙は緊急を要しています。環境省、農林水産省、厚生労働省が一体となって、早急にヒアリの侵入・定
着を防ぐ体制をつくる必要があります。 




【目 次】
1章 ヒアリ類の分類と分布
  1.1 「ヒアリ」という種の分類学的位置
    ヒアリの特徴
    日本に分布するヒアリに似たアリ
    ヒアリの形態学
  1.2 「ヒアリ類」というグループ
    ヒアリ類とは何か
    ヒアリ類の分類の歴史
    ヒアリ類のグルーピング
    ヒアリ類の分布
  1.3 トフシアリ属
  1.4 ヒアリにまつわる学名の混乱と収拾
2章 多型と分業
  2.1 ワーカー多型
  2.2 形態分業と齢分業
3章 毒とフェロモン
  3.1 ヒアリ毒の組成と作用
    強すぎる毒の適応的意義
    ヒアリの毒は植物毒?
    ソレノプシン組成の進化
    タンパク成分とアレルギー反応
    毒の多面的利用
  3.2 女王フェロモン
  3.3 体表炭化水素
  3.4 道しるべフェロモン
4章 単女王制コロニーの生活史
  4.1 結婚飛行と女王単独によるコロニー創設
  4.2 多雌創設
  4.3 女王間闘争とブルード争奪戦
  4.4 独立創設型女王の生存率と死亡要因
  4.5 孤児コロニーへの侵入
  4.6 コロニーの成長
  4.7 巣となわばりの構造と機能
  4.8 採餌と給餌
5章 多女王制コロニーとGp-9遺伝子
  5.1 多女王制コロニーの特徴
  5.2 新生女王の居残り・侵入
  5.3 女王間にみられる適応度の偏り
  5.4 マッチ交尾と二倍体雄
  5.5 Gp-9遺伝子の発見
  5.6 多女王制コロニーの有翅虫
  5.7 Gp-9遺伝子の塩基配列と進化
  5.8 多女王化を促す選択圧と「緑の顎髭」遺伝子説
6章 南米のヒアリと天敵
  6.1 ヒアリの生息環境と密度
  6.2 小胞子虫Thelohanea solenopsae
  6.3 ノミバエの一種Pseudacteon tricuspis
  6.4 完全社会寄生アリ、ヤドリヒアリ
7章 北米への侵入と分布拡大
  7.1 侵入の経緯
  7.2 分布の拡大とヒアリ戦争
  7.3 ヒアリによる被害と生態系への影響
  7.4 生物的防除の試み
8章 環太平洋諸国への侵入開始
  8.1 拡散の現状
  8.2 なぜヒアリの拡散が始まったのか?
  8.3 日本に侵入させないために
  8.4 日本に定着させないために
9章 日本への助言と提言
   ヒアリの侵入が迫っている今日、日本は何をなすべきか
  9.1 はじめに
  9.2 ヒアリの影響
  9.3 予 測
  9.4 提 言
  9.5 おわりに
引用文献
索 引
  Box 1-1 日本産の類似種とヒアリの区別
  Box 1-2 学名のルール
  Box 2-1 エゾアカヤマアリの分業
  Box 4-1 アリの順位制
  Box 4-2 アリの労働寄生

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月刊むし 2018年1月号(563号)
B5, 64pp. 1,167円+税
ヒアリ類入門〜ヒアリとは何者なのか?〜 坂本洋典 31〜41
など

詳しくは⇒こちら



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埼玉動物研通信 No.89
(2017年10月発行) B5, 46pp. 400円(税込・送料別)
アカヒアリ(ヒアリ):概説と最近の動向 寺山守 1
ハヤトゲフシアリ(Browing anto):侵略的外来アリの侵入 寺山守 33
など

詳しくは⇒こちら



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終わりなき侵略者との闘い - 増え続ける外来生物
五箇公一, 2017
A5, 160pp., 1,400円+税
テレビや新聞等マスコミでお馴染の五箇公一氏が綴る、日本に定着した外来生物、その防除と駆除の最前線。本書は、
インターネットニュースサイト「THE PAGE」に連載され、好評を博している記事をまとめたものです。「殺人アリ・ヒアリの
上陸に備える」「世界を駆
け巡るダニ」「親しまれる外来ザリガニ―食用からペットまで」など、近年、話題となっている外来生物種に焦点を当てて
います。外来種の侵入の経緯やそのリスク、対処法についてわかりやすく解説していて、日本の自然や生物について考
えさせられる内容です。



<目次>
セアカゴケグモが増えた夏 そして忘れ去られた夏
殺人アリ・ヒアリの上陸に備える
カエル、イモリが絶滅する!?両生類界の新興感染症のパンデミック
有用昆虫セイヨウオオマルハナバチの光と陰
なぜ日本人は輸入するほどクワガタムシが好きなのか?
世界を駆け巡るダニ
小笠原の固有生物群を食い尽くすグリーンアノール
農薬の環境安全性は外来ミジンコで測られている
マングースはハブと闘わない
侵略的外来生物としての病原体
SF映画が現実になった“キラー・ビー”人間がつくり出した殺人ミツバチ
アニメも影響して輸入されたアライグマ 実はとても危険な動物だった
ミドリガメ 正体は侵略的外来種ミシシッピアカミミガメ
外来種と在来種の国際結婚はなにが問題なのか?交雑による遺伝的多様性の攪乱
アリゲーター・ガー、ピラニア、ニシキヘビ…外来種の宝庫と化す多摩川
かつては貴重なたんぱく源だった 巨大カタツムリと巨大タニシ
中国産スズメバチが対馬に襲来 本土上陸を食い止めよ
親しまれる外来ザリガニ―食用からペットまで
スズメもネコジャラシも大陸からやってきた外来種か在来種かはどう決める?
日本の外来生物対策最前線


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危険生物ファーストエイドハンドブック 陸編
NPO法人 武蔵野自然塾 編, 2017.
新書判, 128pp.(フルカラー) 1,600円+税
野外活動に必携となる、危険生物による被害への応急処置に役立つ対策ガイドです。
予防法も含めた被害を軽減するノウハウがをまとめられています。今回は陸編として、スズメバチやウルシなど、動植物
約120種が収録されており、傷痕からの検索や緊急時に役立つ道具の紹介や、実際に被害に遭ったときの実例など、安
全な野外活動をサポートする一冊となっています。




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The Fire Ants ヒアリ
Walter R. Tschinkel(著), Edward O. Wilson(編), 2013.
234x179mm, 739 pp.(うちカラープレート16pp., 23モノクロ写真, 188モノクロ線画, ペーパーバック) 6,000円+税
☆通常、2〜5週間程度でお取り寄せ
30年以上をヒアリの生態学研究に費やした著者による、ヒアリの解説書です。アメリカ合衆国では、ヒアリは1930年代に
アラバマ州モービル港に侵入した後、北米大陸に拡大し
ていき、1940年代にはサンベルト(アメリカ合衆国南部、ほぼ北緯37度以南の温暖な地域)の最も忌まわしい害虫の1つ
になりました。本書では、ヒアリの標本写真とともに形態、
コロニーの見つけ方、巣の構築方法、防衛、食物源と分配行動、同種間での順位決定、コロニーの移転方法などが詳し
く解説されています。
テキスト:英語





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アリの生態と分類 -南九州のアリの自然史-
山根正気・原田豊・江口克之, 2010.
A5, 200pp. 4,500円+税
九州南部で見られるアリを中心に124種を紹介。
外来種のヒアリを日本で初めて詳細図解。
第1部でアリ全体の生態・生活史を紹介、第2部では南九州のアリについて、第3部ではアリの標本作成と図鑑という構成
になっており、南九州のアリを総括した本になっている。
「科から亜科」「亜科から属」「属から種」への検索表と各種の解説(頭部正面と全体側面のカラー標本写真あり)。



目次:
第1部 世界のアリ,アリの世界(江口克之)
 1.昆虫の一員としてのアリ 8
 2.アリの社会生活 10
 3.アリのすみか 23
 4.アリの食べ物 26
 5.我々の暮らしとアリ 28
第2部 南九州のアリの生活(原田 豊)
 1. 日本南限のブナ林に棲むアリ 32
 2. 桜島溶岩地帯のアリ 35
 3.校庭のアリ 44
 4.アリと植物の関係 46
 5.夜行性のアリの生態―アメイロオオアリ― 51
第3部 採集から名前調べまで(山根正気)
 1. アリの採集 56
 2.アリの標本作製 59
 3.アリの名前調べ 69
  まず亜科と属を同定する 69
  カタアリ亜科とヤマアリ亜科 73
  クビレハリアリ亜科 105
  ムカシアリ亜科 107
  ノコギリハリアリ亜科 110
  ハリアリ亜科 112
  カギバラアリ亜科 125
  フタフシアリ亜科 129

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アリの社会 小さな虫の大きな知恵
坂本洋典・村上貴弘・東正剛, 2015
A5変形, 275pp. 3,200円+税
本書は、昆虫の中でも極めて多様な社会性をもつアリの社会について様々な切り口から解説した一冊。
カースト制(階層社会)という独特の巨大な社会、好蟻性昆虫との共生関係、結婚飛行(ハネムーン)や
巨大シェアハウスなど、アリの社会とそれに関わる虫の巧みな生き方を紹介しています。
18ページ以上にわたり、ヒアリの解説があります。



<目次>
1.アリに学ぶ 東正剛
アリに学ぶ仕事術
2. アリのグローバル戦略-その野望と成功 村上貴弘
 コラム1 外来アリの母国に行って 佐藤一樹
3. アリのメガコロニーが世界を乗っとる 砂村栄力
4. アリカンパニーの成功の秘訣-後継者選びから人心掌握術まで 菊地友則
5. 新参入者の選択-スペシャリストかジェネラリストか 小松貴
 コラム2 わずかな匂いの謎を解く微量分析 秋野順治
6. 世界を驚かせた巨大シェアハウスプロジェクト 小林碧
 コラム3 ファインダー越しのアリの世界 小松貴
7. アリに学ぶ食と住まいの安全-二千万年の知恵 上田昇平
8. アリ社会にみるおれおれ詐欺対策 坂本洋典
 コラム4 元始のアリ社会を探しに
9. アリ社会の最新男女事情 大河原恭祐
10. 遺伝子からみたアリの社会 宮崎智史
 コラム5 アリの世界を創る 島田拓
おわりに
生物名索引
事項索引
著者紹介

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