西糞虫採集
  (2000年4月29日〜5月3日)

 糞虫歴数年でしかも東京在住の私
が、春日山で採集をしたことがないと
言っても、 特に不思議なことはあるま
い。今年の連休はうまく休みもとれ9
連休になったので 沖縄でも行こうかと
思ったが、つい先日行ったばかりだっ
たことを思い出し、では 普通種でもい
いから東京で採れない西の虫を採り
行こうと、春日山など関西への あてのない?旅に出たのであった。

4月29日(土)丹沢へ寄り道
 
昼前に東京を出発、ドライブだけで一日を潰すのも退屈なので、途中東
名の秦野中 井I.C.で降り、丹沢へ寄る。丹沢は糞虫の継続調査を行って
おり、時期的にイシダ マグソとトゲマグソを期待したが成果なし。常設PT
でコケシマグソを得た他は、 クロオビ、トゲクロツヤ、チャグロといったマグ
ソがいた程度。採集はそこそこに して東名に復帰し西へひた走る。道路
は順調で、宿泊予定の四日市には夕方7時頃到着。

4月30日(日)成果のない日
 信楽町には寄るつもりはなかったが、どうしてもヤマトエンマを見たくなり、
マイ トラップで勝負することにした。朝、トラップを設置後、大阪へチビコエ
ンマを 狙いに行く。しかし、いたのはセマダラマグソやクロマルエンマだけ。
まだ時期が 早いのかな?距離感がないので移動にかなり時間がかかり、
信楽に戻ったのは夕方 で、しかもマイトラップで迎えてくれたのはこともあ
ろうにクロマルエンマ君の 大集団であった。やはり春は少ない種なのか?

5月1日(月)燃える若草山
 天気もまずまずで、ほぼ一日を若草山で春物の糞虫を満喫した。いやぁ、
なんて 素晴らしい所なんでしょう。新緑に燃える若草山、そこここに現れる
鹿・鹿・鹿。 広大な芝地にバラまかれている糞・糞・糞。それに集まる虫・
虫・虫。1頭の鹿が1日 にする糞の量は700gで、ここで1年間に排出される
鹿糞の総量
はなんと250
トン だそう
です。最近は
鹿も虫も増え
たようで良い
ことです。確
認できた種
は、多数
ルリセンチ、
ヒメコエンマ、
クロツヤマグ
ソ、多少のカドマルエンマ、センチ コガネ、チビコエンマ、ネグロマグソ、コツヤ
マグソ、ニッコウコエンマなど。 帰り道、日暮れ直前に信楽町のマイトラップを見
に行く。今日もクロマルばっか…と思い きや、黒の中に黄色のエリトラがチラチ
ラと…やった!ヤマトエンマだ。しかも3♂ 1♀。とてもビールの美味い晩であった。

5月2日(火)楽しき奈良公園
 今日は京都の友人も合流しての糞虫探し。場所は奈良公園の平地を中心
に行い、 多数のナガスネエンマ、少数のルリセンチ、ヒメコエンマ、クロツヤマ
グソなど を確認。赤腐れの材では、
マダラクワガタの成虫、幼虫も確
認できた。若草山 方面では、イヌ
シデの樹皮下(写真)からクロツツ
マグソ、ヒメツツマグソを採る。第
一目標であ ったヒメコマグソは、柵
のせいでポイントに糞が無かった
ため、他所から糞を持ってき てトラ
ップにすることにより、かろうじて1
頭をGETすることができた。気品の
ある愛らしいマグソである。特産で
はないが、ここ以外では極めて得が
たい種である。め でたし、めでたし。
夜は友人の案内で京都の街に繰り
出して、古都の風情を味 わいながら、京料理と美酒に酔いしれたのであった。

5月3日(水)ようやくチビコエンマ
 もう一日奈良公園でもいいなと、ちょっと二日酔いのボケた頭で考えてい
ると、 道路は西へ東へ大渋滞。奈良に向えば3時間はかかりそう。で、大阪
へ再度 チビコエンマを採りに行った。3日前に行った場所では相変わらずい
ないので、 別のポイントに行ったら少しだけいて一安心。何とか8頭だけ採っ
たものの、 まだセマダラやタダマグソがいるようじゃダメなんですかねぇ、教
えて下さ い>関西の方。
 渋滞のせいで移動に時間がかかり、採集を終えたらもう夕方6時になって
しま った。宿を探したものの空いてるはずもなく、一通り目的も達せられた
ので、 一気に帰ることに。途中の食事や仮眠も入れて10時間近いロングド
ライブは、 おりしもバスジャックの生中継中で、その緊迫の報道が眠気を
除去したのであった。いつものように情報を頂いた皆さんには厚く御礼申し
上げます。
 次回関西に来る時は、
ヒメコマグソ、ヒメツツマ
グソ、チビコエンマ♂な
どの おかわりと、オビモ
ンマグソ、ミドリセンチな
んか採りたいですね。
(完)

    
 (滋賀県信楽町産ヤマトエンマコガネ)