完本 北海道蝶類図鑑
The Complete Guide to Butterflies of Hokkaido, Japan
永盛俊行・永盛拓行・芝田翼・黒田哲・石黒誠, 2016
B5, 408pp.(カラー336pp.),上製本.  価格:13,000円(税込14,300円)
標本、卵から成虫までの生活史、食草・植樹を余すことなくカラープレートで紹介した、北海道の蝶の「いま」すべてを収録した待望の図鑑です。











<概要>
 ・成虫全種について野外での生態写真を掲載。
 ・卵から蛹までの幼生期の生活史を野外写真で紹介。
 ・全種の♂♀表裏の標本写真を収録。
 ・約80種の主たる食草(樹)の写真を収録。
 ・解説は、野外での行動を記述。何が未解明かも明記。

<内容>
T.標本図版
・全116種を実物大で収録し、変異や遺伝型も可能な限り紹介。
・詳細な類似種の見分け方を解説。
U.各種解説(全116種)
・美しい生態写真で成虫、卵、幼虫、蛹を紹介。
・最新説の学名を掲載。
・レッドデータの選定基準などを解説。
・分布をプロットと塗りで図示。
・分布・生息地、周年経過、食餌植物、成虫、生活史(卵〜蛹)の各解説。現在の不明点も積極的に記述。
・全116種の他、迷蝶など追補種を簡易紹介。
V.食草・食樹図版
・全116種の主要な食餌植物を収録。
・一部、卵や幼虫も紹介。
・利用種や、食草・食樹の識別点。
W.生態観察のすすめ
・野外観察のポイントを解説。
・筆者の観察記録や考察を紹介。
・全116種の周年経過を図示。


◆本書の特徴
・標本図版・各種解説図版・食草図版・生態観察のすすめの4部から構成。
・北海道に土着している115種と、土着とはいえないが毎年確実に見られるヒメアカタテハを含めて計116種を中心に紹介。
・各科と種の配列は「日本産蝶類和名学名便覧(猪又敏男ほか, 2013)」に従った。
・和名は研究者に最も親しまれているものにした。
・学名については、様々な見解を考慮の上、亜種名・命名者・命名年まで記した。北海道の個体群が複数の亜種に分割できると考えたものは、分布地域とともに記述した。

◇種の解説について
・成虫は野外での行動を解説。訪花植物は特徴的なものに留めた。配偶行動、産卵行動についてはできるだけ詳しく解説。
・生活史は卵、幼生期、蛹の各ステージの特徴を記載。幼生期については野外での行動観察を中心に、不明なところは飼育での観察で補完。調査が進むことを期待し、未解明な点を積極的に紹介。
・周年経過は、成虫の発生時期、化性、越冬態について解説。周年経過の一覧表を「生態観察のすすめ」に掲載。
・食餌植物は確実に記録したものを中心に書き、他の報告種も紹介。
・分布・生息地は、道内の分布の解説と、その種の生息環境を紹介。
■標本図版について
 ・116種の♂♀表裏をすべて原寸で収録。大型種は翅の半分だけ示したものもある。
 ・全標本の産地を市町村名で示した。
 ・第1化、第2化で形態が変わる蝶(いわゆる春型・夏型、高温期型・低温期型)も収録。
 ・亜種と区別されるような重要な地理的変異や特徴的な個体変異(突然変異)も収録。
 ・同定に注意の要する近似種との区別点を詳しく示した。種によっては交尾器や発香鱗など翅の斑紋以外の区別点も図示。
 ・天然記念物で採集禁止になっている種は、法規制前の採集品を使用。
□種解説図版について
 ・写真は野外で撮影した生態写真を基本に構成。生息環境が写しこまれたものを左ページメイン写真とし、右ページの上段に成虫の行動をとらえたもの、下段に卵から蛹までの各ステージの写真を紹介。全撮影年月日と撮影地を記載。
 ・分布図は、文献記録や執筆者たちの未発表記録などに基づき作成。
●食草図版について
 ・標本図版、種解説図版で紹介した116種の食餌植物を、草本、木本について科の分類ごとに自然状態がわかるように、野外で撮影した写真で紹介。
 ・卵や幼虫の静止位置、食痕もわかるように図示した。
・幼虫が写しこまれたものは、矢印で示した。
・卵や幼虫を探すことを考慮して、花や若葉・葉を中心に、食樹などでは樹皮や冬芽の特徴も示した。
・近似種との同定のポイントを簡単に示した。
〇追補種について
 ・すでに北海道では絶滅したと考えられるもの2種、主な飛来種5種を収録。
▼イネ科植物の食痕について
 ・幼虫探索の参考までにと、カラー頁最後に示した。
▽生態観察のすすめについて
 ・野外での観察について,準備から成虫や幼生期の観察のポイントについて解説。
 ・分布と生息環境,種間関係などについては,筆者のオリジナルな観察記録や考察を紹介。
 ・周年経過一覧の図で,月ごとの各種の発育段階が推定できるようにした。各地域での調査の参考になるよう各種の発生の最早,最遅記録を紹介。
 ・個体数・局地性・観察難易度・絶滅危険度を☆マーク4段階でページ端に示した。