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東アジアのルリクワガタ属 The Genus Platycerus of East Asia
著者:井村有希
発行:2010年3月14日
定価:16,000円(税込17,600円)(送料サービス)
発行:昆虫文献 六本脚
体裁:ハードカバー、240ページ(フルカラー)
ISBN:978-4-902649-06-2
本書は日本産を含む東アジア産ルリクワガタ全種全亜種の検索図鑑であり,モノグラフであり,生態や環境の豪華写真集であり,
分子系統や研究史の総まとめであり,何よりも中国を中心とした,著者の情熱あふれるルリクワガタ紀行のすべてである.
■ 日本,中国,韓国,北朝鮮に産するルリクワガタ属全31種とすべての亜種を掲載.
■ 1300点にのぼるフルカラー写真を用いて,各種の形態から生態,生息環境にいたる知見を余すところなく図示.
■ 全種について,原記載,研究史,外部・交尾器形態,生態,分布,地理的変異,さらに種小名の由来にわたる項目を,和文・英文双方により詳細に解説.
■ 世界のルリクワガタ属の分子系統,世界の同属全種のチェックリスト,東アジア産全種の♂♀それぞれについての検索表を掲載.
■ 臨場感あふれる全11編の中国採集紀行.
■ 東アジア産ルリクワガタ属のすべてを1冊にまとめた,最新にして最高水準の書.
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リシリノマックレイセアカオサムシ−さいはての島の小さな奇跡−
著者: 文・井村有希 写真・永幡嘉之
発行日: 2006年8月1日 第1刷
体裁: A4, 120pp. ハードカバー
価格: 9,333円(税込10,266円)
発行元: 昆虫文献 六本脚
ISBN 4-902649-05-5
2004年11月,日本鞘翅学会小田原大会において数十年ぶりの日本未記録オサムシとして衝撃のデビューを果たしたリシリノマックレイセアカオサムシ.
井村有希氏ほか調査スタッフの方々の並々ならぬ熱意と努力により本種の全貌が明らかになっていく過程は読者を惹きつけて離さない.
本種の全ステージおよび美しい利尻島の自然の撮影は,月刊むし連載「極東ロシアの昆虫誌」等の雰囲気のある写真が好評の気鋭の若手・永幡嘉之氏.
世界のセアカオサムシ属,利尻島のオサムシ相にも詳細に言及しており,オサムシ・甲虫研究者の方はもちろん,自然愛好家,写真愛好家の皆様にもぜひ手に取って頂きたい1冊.
Elytra32(2)に掲載された新亜種記載論文を巻末に再録.
序文より「さいはての宝の島―利尻島」 上野俊一氏(国立科学博物館名誉研究員)
(略)ところが近年になって,それとはまた別の驚くべき発見がなされた.それが本書の主題になっているリシリノマックレイセアカオサムシである.
このオサムシは,単に利尻島の固有亜種であるばかりでなく,利尻島の甲虫相の特異性を端的に示す美麗種であり,その重要さはほかに例がない.
そのうえ,短時日のうちに,幼期の形態や発育のようすまで解明され,それらのすべてが生息地のみごとな写真とともに,一冊の書物としてまとめられている.
もちろん,成虫の形態や同属の他種および他亜種との比較など,必要な事項のすべてが網羅されていて,近来まれにみるすばらしい仕上がりになっている.
本書の上梓を心から慶ぶとともに,著者の超人的なご努力に深い敬意を表したい.
利尻島は決して古い島ではない.その歴史は東北地方の火山と似たり寄ったりで,沖縄などとは比べるべくもない.利尻山の整った姿が,このことを明瞭に示している.
それにもかかわらず,固有種や固有亜種がよく分化しているのは利尻島の謎で,その由来と分化過程の解明が切望される.利尻島は謎の島,そして宝の島なのである.
目次
さいはての宝の島 ― 利尻島(上野俊一) 6
リシリノマックレイセアカオサムシとの出逢い(戸田尚希) 7
謝辞 7
凡例 8
第1部 日本未記録のオサムシ
写真集 10
本文
第1章 発見
三重県熊野 31
メール添付画像 31
衝撃 32
天野さんの手紙 33
四川省成都 33
第一次調査 34
オフの活動 34
第二次調査 35
第2章 調査
1. 第一次調査(2004年8月7〜12日,19〜21日,9月7〜9日)
31年ぶりの利尻島 36
生息地の手がかり 37
ついに1♀を採る! 37
2. 第二次調査(2005年6月14日〜7月12日,9月17〜21日)
♂の発見と生息環境の把握 39
調査地点の概要
1)利尻山登山コース 39
2)ヤムナイ沢 40
3)鬼脇コース 41
4)大空沢 42
第3章 リシリノマックレイセアカオサムシ
1. 形態
成虫 43
卵 46
幼虫 46
2. 分布 47
3. 生息環境 47
4. 生態
食性 49
周年経過 49
5. 日本のオサムシ研究史上における今回の発見の意義 51
6. 保全と対策 52
第4章 世界のセアカオサムシ属
1. セアカオサムシ属について 53
2. オサムシ亜族中に占める位置 53
3. 属の基本的特徴 53
4. 分布 53
5. 分子系統 53
6. 各種の解説
1)ヨーロッパセアカオサムシ Hemicarabus nitens LINNE, 1758 54
2)セアカオサムシHemicarabus tuberculosus DEJEAN et BOISDUVAL, 1829 55
3)マックレイセアカオサムシ Hemicarabus macleayi DEJEAN, 1826
(1)基亜種 subsp. macleayi DEJEAN, 1826 56
(2)北鮮亜種 subsp. coreensis BREUNING, 1933 58
(3)利尻島亜種 subsp. amanoi IMURA, 2004 58
4)ホクベイセアカオサムシHemicarabus serratus SAY, 1825 60
第2部 生活史
写真集 62
本文
飼育記録
[例1] 75
[例2] 77
第3部 利尻島のオサムシと自然
写真集 79
本文
第1章 利尻島のオサムシ相
1. 利尻島に産するオサムシの種数 93
2. 利尻島のオサムシ相とその特徴 93
1)リシリノマックレイセアカオサムシHemicarabus macleayi amanoi IMURA,
2004 95
2)セアカオサムシHemicarabus tuberculosus tuberculosus DEJEAN et BOISDUVAL,
1829 97
3)リシリオサムシ Aulonocarabus kurilensis rishiriensis NAKANE,
1957 98
4)ヒメクロオサムシ Asthenocarabus opaculus opaculus PUTZEYS, 1875 99
5)コブスジアカガネオサムシ Carabus arvensis hokkaidensis LAPOUGE,
1924 100
6)エゾアカガネオサムシ Carabus granulatus yezoensis BATES, 1883 101
7)リシリキンオサムシ Pachycranion kolbei hanatanii IMURA, 1991 102
8)キタオオルリオサムシ Acoptolabrus gehinii aereicollis HAUSER,
1921 103
[カタビロオサムシ類]
1)アオカタビロオサムシ Calosoma inquisitor cyanescens MOTSCHULSKY,
1859 104
2)クロカタビロオサムシ Calosoma maximowiczi maximowiczi MORAWITZ,
1863 104
3)エゾカタビロオサムシ Campalita chinense chinense KIRBY, 1818 105
[セダカオサムシ類]
1)セダカオサムシ Cychrus morawitzi morawitzi GEHIN, 1885 105
第2章 利尻島の地史と自然
1. 利尻島の地史 106
2. リシリノマックレイセアカオサムシの渡来時期と経路 106
3. なぜこれまで発見されなかったのか? 106
4. 今後,新産地が発見される可能性 107
5. 豊かな自然が残された島,利尻 107
原著論文再録 108
参考文献 116
あとがき 119
著者略歴 120
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リシリノマックレイセアカオサムシ−さいはての島の小さな奇跡− 異装版
文・井村有希 写真・永幡嘉之, 2006.
A4, 120pp. 11,238円(税込12,362円)
限定20冊
2006年に弊社より発行、皆様にご好評頂いております本書の「著者関係者配布用に非売品・50部限定で発行された異装版」です。
※表紙・裏表紙が「通常版」と異なっておりますが、本文内容自体は「通常版」とまったく同一です。
※印刷コスト等を極力抑えるため、奥付ページは「通常版」と同一のものを使用しました。「通常版定価」が明記されておりますが、悪しからずご了承ください。
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