大阪府のハバチ・キバチ類 ※弊社・発行元ともに完売

著者:吉田浩史
発行者:西日本ハチ研究会
発行年月日:2006年5月1日
体裁:B5, 24原色図版+128pp.
価格:2,857円(税込3,143円)


日本国内で約730種もの種が記録されているハバチ・キバチ類であるが,種の同定のためのまとまった文献がこれまで無かったため,
環境調査でも無視されがちだったという.本書は初心者の方にも配慮し,検索表や色彩等の記述を充実させて分かり易さを追求して
おり,環境調査の現場はもとより,アマチュア昆虫研究家の方にも大変有用である.今後の日本産ハバチ類研究の発展に大きく資する
であろうことを確信させる1冊.


※本書は「昆虫文献 六本脚」の出版サポートにより発行されました.

※著者が正誤表(暫定版)を作成されました.

「著者序文」より
 今回,大阪府におけるハバチ類について,採集及び標本の調査を行った結果,大阪府内から11科196種のハバチ類の生息が確認された.
詳細は後述するが,隣県の兵庫県 (内藤ら, 2004)と比較すると約6割弱である.大阪府記録分のみでは少ないので,入門書として使えるよう
に各種の色彩等の記載を行い,さらに近畿から記録のあるハバチ類について(一部の属では日本産の全種について)検索表を作成した.
(中略)
 ハバチ類は本来北方系の分類群であり,国内では北海道及び本州中央高地などから多くの種が記録されている.今回は,近畿地方から
の記録種を対象としたことにより,ハバチ類の大半を占める北方系・高地性の種の多くは含まれていない.これらの種についても今後の課題
として残されている.しかし,一般の環境調査やアセスメント調査の対象となる平地から低山地のハバチ類相については,近畿を中心とした
西日本ではほぼ網羅できたと考えられる.東日本の低地については,筆者も採集経験がほとんどなく,どの程度利用できるか現在では不明
である.今後「西日本ハチ研究会」において補足等を行いたい.