カメムシはなぜ群れる? −離合集散の生態学−(学術選書045) 
藤崎憲治 著, 2009年10月15日
B6 282pp. 1,800円
※好評のため完売になった「生態学ライブラリー・シリーズ カメムシはなぜ群れる? −離合集散の生態学−」が学術選書シリーズで改訂再版されました。改訂内容については「読書案内」と加筆がコラムという形で行われています。また巻頭に4カラーページの生態写真が掲載されてます。

その臭気ゆえに何かと嫌われるカメムシたち.かれらは食物や異性をめぐってあるときは集まりあるときは散らばる。「集まること」の損と得を考えながらカメムシたちのユニークな暮らしぶりを描き出すことでかれらがただ臭いだけの虫ではなくさまざまな興味をかき立ててくれる面白い生き物であることを紹介する。ロングセラーの新装版



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昆虫個体群生態学の展開
久野英二(編著), 1996.
A5, 455pp. 5,631円
生物は、その一生を1個体では過ごさない。繁殖や食物をめぐる同種内での競争、他種との
食う−食われる関係など、他の生物の関わり合いの中で生きている。そうした生物の一生を
定量的にしかも動的に捉え、病害虫の発生や変動を予測し、生物の多様性を保全する原理
を示す「個体群生態学」の最新の知見を気鋭の研究者21人が興味深く示す。




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トビムシの住む森−土壌生物から見た森林生態系−
武田博清 著
発行日:2002年3月25日
B6 266頁 2,100円
われわれの生活が、植物の創り出す有機物や酸素に依存していることはよく知られているが、
その植物が栄養として利用できるようなかたちに有機物を分解している生物たちのことはあまり
知られていない。この「分解者」と呼ばれる生物群は、細菌類や菌類、原生動物やミミズ・トビムシ
など様々な生物から成り立っている。本書は、普段なかなか目にすることのない、土の中で暮らし
ている生き物たちに光をあて、その豊かな生物相を、トビムシを中心に、観察の方法なども説明し
ながら、生き生きと描き出す。かれらがいかにして植物の生活を支える土壌を創り出しているかを
知ることは、地球環境を考える上で極めて重要である。



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フンころがしの生物多様性 -自然学の風景-
塚本珪一, 2010.
A5, 278pp. 2,200円
著者による糞虫エッセイの第4弾。近年国際的にも関心が高まる「生物多様性」を、糞虫の世界から様々なエピソードを交えつつ考える。
前著までよりやや専門的な内容となっており、前著「糞虫たちの博物誌」を先に読むと、より一層理解が深まると思われる。
本書「帯」より
排泄物や死骸を糧とするフンころがし(フン虫)は、自然界の底辺で壮大な循環を支える貴重な生き物だ―。
長年にわたってフィールドワークを重ねてきた第一人者が、フンころがしと生物多様性の切っても切れない世界観を、
つぶさに確かめ描きなおす、ユニークな昆虫記。




目次
はじめに 9
I 自然学への道
 1 今西錦司先生の「自然学」を読む 15
 2 遠い日々の記憶・原風景 28
3 京都北山・糞虫の発見 32
4 私の自然学への道 37
II 「フンころがし自然学」の風景
 1 ファーブル『昆虫記』は自然学 43
 2 聖なる虫=スカラベ 47
 3 糞虫考 51
 4 糞虫考現学 54
 5 糞虫の種社会・分布 58
 6 糞虫地理学から風景論への展開 63
 7 糞虫と野生動物の創る風景 67
 8 糞虫の生息空間 73
 9 糞虫の道=生態回廊 87
 10 都市・里山の風景論 90
 11 京都御苑の自然学・風景 99
 12 散歩道・雲母の森から 103
III 日本列島の自然学の風景 フィールドノートより
 1 オホーツクの風景 111
 2 北の島の風景 利尻・礼文・トド島 120
 3 イーハトーブの糞虫たち 125
 4 生と死の連鎖を見た日 130
 5 「山の牧場」の風景 133
 6 蓼科山のふもとから 142
 7 糞虫の聖域=奈良 144
 8 高地性コウチュウについて 148
 9 近畿圏の特異性 151
 10 冠島・無人島・生と死の風景 155
 11 兵庫県から宮古島・台湾 161
 12 三瓶山「山の牧場」・ダイコクコガネ 165
 13 隠岐の糞虫 171
 14 対馬紀行 176
 15 四国・糞虫のいる風景 182
 16 アカマダラセンチコガネとムネアカセンチコガネ 185
 17 屋久島・世界遺産の島 195
 18 北海道から南西諸島までの物語 204
IV 生きもの社会再考
 1 群・家族・種社会 211
 2 食の順位のモデル 214
 3 種社会の構造とモデル 219
 4 ビオトープと種社会 223
V 二一世紀「生物多様性社会」の構築
 1 マンダラ=モデルという考え方 229
 2 生物多様性社会から共生へ 240
 3 絶滅危惧のフンころがしたち 253
まとめとして 私の「自然学」から「生物多様性」そして共生へ 257
あとがき 263
註 参考文献 267

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田んぼの虫の言い分 -トンボ・バッタ・ハチが見た田んぼ環境の変貌-
むさしの里山研究会(編), 2005.
B6, 205pp. 1,524円
人間が人工的に作り出した「田んぼ」という環境に依存・利用して繁栄してきた生物たちが、
ここ数十年の「田んぼ」をとりまく環境の変化によって姿を消しつつある。
本書はむさしの里山研究会に所属するトンボ屋・バッタ屋・ハチ屋の3名の虫屋さんが研究
対象の虫たちと「田んぼ」とのかかわりを、自らの体験を交えてつづったもの。



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蝶の不思議の国で ※弊社・発行元ともに完売
フリードリヒ・シュナック (岡田朝雄 訳), 1997.
B6, 326pp. 2,520円のところ、
特価1,619円 
蝶や蛾の驚くべき生態、美しさや魅力を細密に描き、ファーブルの 「昆虫記」やシートンの 「動物記」にも比せられながら、日本ではまだ紹介されることのなかった、詩情あふれる博物誌の傑作。



目次
まえがき
蝶の冬、蝶の休息/雪の下で眠る蝶/蝶のパレード/蝶の結婚の仲人をする/スグリの茂みで/羽の驚異/ヨツメマユガの生活史/クモマツマキチョウの愛の館/産卵の仕事/ギザギザチョウ/アタランタアカタテハの謎/尾状突起のある蝶/シジミチョウの秘密/飛ぶ真珠/ブラックベリーにつく繭/光の妖精/蝶と蛾の植物学/あるスズメガのパスポート写真/ユーフォルビアの森/半陰陽の蝶/六月のドラマ/紺碧海岸の蝶/昼を愛する蛾/スフィンクス/スズメガとナイチンゲール/コウモリスズメの棲む山で/マツヨイグサホウジャク/庭での誕生/路上の光のたわむれ/奇妙な形態/仮面をつけた幼虫/シュペッサルトの蝶の宿/ベニスズメ/昆虫のタブー/ポプラとヤナギを訪ねて/絹の城/雪のように蝶が降る/ドクロメンガタスズメは痛風病み/変身術/秋を愛する蝶/冬眠の洞穴/マダガスカル特産の蛾と蝶
訳者あとがき

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虫たちの化学戦略‐盗む・欺く・殺す
ウイリアム・アゴスタ (長野敬 ・赤松眞紀(訳)), 2002.
293pp. A5, 2,400円
種保存のための究極の一撃。相手を出し抜き、盗み取り、果ては殺すハチ、アリ、ハエ、チョウ…。そのサバイバルを賭けたドラマの影の主役が、虫の行動を決定づける様々なフェロモンなどの化学物質。自然界の複雑なメカニズムを、化学物質を駆使する虫たちの驚異の生態から見る刮目の自然誌。



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虫の宇宙誌(新装版) ※弊社・発行元ともに完売
奥本大三郎, 1994.
B6, 350pp. 1,845円
大自然の中で展開される昆虫たちの生のドラマを観察し、忘れ去られた自然への愛惜と、昆虫の見方を通しての東西文明論など、創見に満ちたナチュラリストの昆虫博物誌。読売文学賞受賞。



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糞虫たちの博物誌
塚本珪一, 2007.
A5 266pp. 1,900円
本書「帯」より
見て、触れて、感じる‐虫宇宙の不思議と魅力。生態系の中で重要な役目をはたしてきた、自然界の掃除屋=糞虫。糞虫をはじめ様々な虫たちに魅せられ、人と自然の織りなす〈知の風土〉の復活を願い、野山を探索する、ユニークな昆虫記。 




目次
はじめに 「知の風土」考 7
第一章 虫たちのコスモロジー
  1 雲母の森・春 花・虫たちの散歩道 17
  2 わが家のトトロの博物学 日々観察の道 25
  3 ダルママグソコガネ京都西山作戦 近畿地区からの発見は? 34
  4 糞虫が飛ぶ奈良公園の春 糞虫奈良時代があった 39
  5 異様な空間 ホソオチョウの飛ぶ 46
  6 羅網の世界 鞍馬寺からの音信 51
  7 アオバズクと昆虫 京都御苑・宗像神社 57
  8 不明の世界、擬態 スカシバガとの出会い 63
  9 わがアルマス 庭にやって来る昆虫 67
 10 ファーブル先生の帽子 『昆虫記』の世界 73
 11 エコロギー考 南方熊楠の発想 78
 12 京都御苑の自然とは 「知の風土」の原点 82
第二章 虫たちのアンソロジー
  1 ウスバシロチョウ 京都北山 91
  2 オオセンチコガネの飛ぶ林道 オホーツク2005 98
  3 砂のなかのコガネムシたち ハバビロコケシマグソコガネを探す 105
  4 南からのチョウ 温暖化の指標か 114
  5 トトロの散歩道 夏の記 124
  6 キマダラルリツバメ 京都府準絶滅危惧種 131
  7 Mozartius属の糞虫 ネズミと共生・同居? 138
  8 クロコノマチョウ 黒いチョウ 145
  9 130年の空白 キマダラマグソコガネに出会う 154
 10 オオスジマグソコガネを求めて 祖谷渓谷 160
第三章 多様性生きもの社会への道
  1 死の世界の探訪 オオコブスジコガネはいた 171
  2 トトロの散歩道 秋の記 178
  3 糞虫の桃源郷 ダイコクコガネ 185
  4 共生という神話 サル、イノシシそしてヒト 191
  5 あとずさりの美学 ルリセンチコガネ 197
  6 都市の生態回廊 京都のまちとチョウ 203
  7 トトロの散歩道 冬の記 209
  8 オサムシとの再会 美学と形態 216
  9 宮古島博物誌 美ら島の糞虫 222
 10 食糞性コガネムシ研究考 新しい時代へ 231
おわりに 再び雲母の森から 237
あとがき 245
参考文献 247
参考資料 257

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日本列島フン虫記
塚本珪一, 2003.
A5, 225pp. 2,200円
名著「日本糞虫記」から10年、本書はその続編として書き進められたが、時代とともに失われゆく虫たちの姿をもとめながら、視点を変えて生物多様性の必要について語られている。著者独特の軽快なタッチで描かれる様々なエピソードは、柔らかい感性を感じさせながらも、自然を見通す鋭い観察力に満ち溢れていて、今さらながら自然の尊さを受け止める快い読後感が残る。最後の一文「私はフン虫たちの栄光の再現のために日本列島を歩き続けることにしよう。」に、本書のすべてが凝縮されている。甲虫の愛好家ならずとも、環境破壊を憂え自然を愛で尊ぶ方々は必読の、六本脚とっておきのお勧めの一冊。



目次
序章 フン虫のいる風景
フン虫とはどのような昆虫か
I 初めてのフン虫とのであい
  1 シロオビヒメヒカゲの飛ぶ大学へ
  2 北見・ナガニセマグソコガネ
  3 マルツヤマグソコガネにであう
  4 知床調査はコブナシコブスジコガネから
  5 丸瀬布の森・ヨツボシマグソコガネの大群
  6 美幌峠牧場・鹿のいる牧場
  7 知床岬・オオセンチコガネ飛ぶ
  8 チャバネエンマコガネは北海道の幻想か
  9 北海道フン虫記
 10 屋久島へ・ヤクシマエンマコガネとであう旅
 11 信濃フン虫記
 12 外来種?ウエダエンマコガネ
 13 京都フン虫記
 14 ミツコブエンマコガネ・河野伊三郎さんのこと
 15 奈良フン虫記
II 絶滅から逃れるために
 16 クチキマグソコガネの二一世紀
 17 群馬フン虫記
 18 ヤマトエンマコガネは消えていくのだろうか?
 19 コブスジコガネの生活空間は?
 20 絶滅への道を歩むフン虫 1 レッドデータブックのフン虫たち
 21 絶滅への道を歩むフン虫 2 レッドデータブックには登載されていないフン虫たち
 22 半世紀ぶりの隠岐・西ノ島
 23 ムネアカセンチコガネの翅音は擬音か?
 24 トトロの散歩道のフン虫
III 多様性は美しい
 25 南西諸島フン虫記
 26 ほんものの自然とは・ケニアで考える
 27 共生・モンゴルで考える
 28 生物多様性と景観=すばらしいランドスケープ
 29 日本列島フン虫記・2003
 終章 フン虫たちに栄光を
あとがき
参考文献
表(日本産食糞性コガネムシ類目録ほか)

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日本糞虫記 ※弊社・発行元ともに完売
塚本珪一, 1994.
B6, 231pp. 1,748円  

森の下には小さな生き物たちが生息する、もうひとつの森がある。残された自然への愛惜を込め、糞虫の日本における分布を丹念に調査し、風変わりなエピソードを交えて語る(日本列島糞虫づくし)。



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昆虫のパンセ(新装版)
池田清彦, 2000.
B6, 217pp. 1,800円
構造主義生物学者の筆者は、カミキリムシなど甲虫の研究家としてもよく知られる。本業に関する文章はもちろん、昆虫愛好家の精神の分析論や自然保護論者の主張の矛盾など、軽妙な文章の中にも鋭い指摘が光る。



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昆虫の四季
ギルバート・ヴァルトバウアー (長野敬、くぼたのぞみ訳), 1998.
B6, 345pp. 2,600円
交尾にほぼ丸一日を費やすセクロピア、奴隷狩りをするアリ、結婚詐欺のホタル、スズメバチの威をかるアブ。森の中で目覚め、恋をし、戦い、産卵の後に死んでいく昆虫たち。移りゆく四季の中、自らの姿態をさまざまに変化させ多様な生を営む小さな生命の神秘を、詩情豊に描く(著者はイリノイ大学名誉教授(昆虫学))。



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虫食う鳥、鳥食う虫
ギルバート・ヴァルトバウアー (長野敬、野村尚子訳), 2001.
B6, 358pp. 2,800円
緑なす大自然の中に展開される鳥と昆虫の生存をかけた壮絶な闘い。敵をあざむき威嚇する虫たちの擬態そして寄生など、生きのびるための驚異のテクニックと自然界のドラマを活写する。虫好き・鳥好きのための驚嘆のナチュラル・ヒストリー。



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99匹の跳ぶ、這う、かじる仲間  昆虫たちの変わった履歴書 
メイ・R・ベーレンバウム著(長野敬、赤松真紀訳), 1998.
B6, 357pp. 2,400円
雑食自慢、跳躍自慢、変装自慢、水泳自慢、吸血自慢……。300万を超える種から厳選された99匹のエキスパートの昆虫たち。その知られざる驚異の能力と生態の秘密を、達意の文章と楽しいイラストで詳述する昆虫学入門(著者はイリノイ大学昆虫学部主任教授)。



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またまた99匹の跳ぶ、這う、かじる仲間 昆虫たちの秘密の履歴書
メイ・R・ベーレンバウム (長野敬、赤松真紀訳), 1998.
B6, 357pp. 2,600円
釣り師のクモ、薄命のブヨ、超偏食のガ、雄が子育てするコオイムシ、どんどん縮む「へんてこ甲虫」……。常識では測り知れない不思議な昆虫たちの数々。厳選された99匹の驚くべき生態と魅力を、昆虫学の第一人者がユーモアたっぷりに描いた昆虫大百科。



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ヘッピリムシの屁 動植物の化学戦略
ウィリアム・アゴスタ (長野敬ほか訳), 1997.
B6, 305pp. 2,200円
生物界の特異な化学物質を、生物自身の防衛・相互コミュニケーション手段や、また人類による利用などを、細菌・菌類から高等動植物までにわたり幅広く紹介する。



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熱血昆虫記 虫たちの生き残り作戦
バーンド・ハインリッチ(渡辺政隆・榊原充隆 訳), 2000.
B6, 246pp. 3,000円

昆虫は単純な変温動物ではなく体温調節能力を持ち、それを武器に敵や獲物と闘う「熱血戦士」である。体温調節のしくみと、その進化論的な意味を解き明かす。



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ヤナギランの花咲く野辺で 昆虫学者のフィールドノート
ベルンド・ハインリッチ(渡辺政隆 訳), 1985.
B6, 268pp. 2,000円
いまアメリカで最も注目されているナチュラリストが情感をこめて自伝風に書き綴った好奇心あふれる博物誌。



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江戸の自然誌 「武江産物志」を読む
野村圭佑, 2002.
B6, 385pp. 3,000円
「武江産物志」は江戸の自然と生活の記録である。そこには、江戸およびその近郊に産する農作物、
薬草類、名木類、虫類、鳥や獣などが、克明に記されておりその数は 940項目におよぶ。「武江産物志」に書き記されたすべての動植物について考察を加え、
産地を特定することにより、江戸の自然の復元を試みる。